バイナンスは本当に大丈夫か?バイナンスに資金を置くリスクを検証。

バイナンスは本当に大丈夫か?バイナンスに資金を置くリスクを検証。

世界1位の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)が2021年4月 ドイツ(BaFin)、6月日本(金融庁)、英国(FCA・バークレー他)、カナダ(オンタリオ州)、7月シンガポール(MAS)、ケイマン諸島(CIMA)、ポーランド(PFSA)、イタリア(CONSOB)、香港(SFC)、リトアニア、インド、マレーシア、韓国、タイとわずか3ヶ月で14カ国以上から警告や告訴を受けている。

 

Binanceは2017年に設立された仮想通貨取引所だ。代表者のチャンポン。ジャオ(Changpeng ZHAO、趙長鵬)はOKCoinのCTOも歴任しておりグローバルでも有名人。2017年中国で設立したが規制を逃れるために同年に日本に移住したが、翌年2018年に日本(金融庁)からも警告を受けてマルタに移転。2019年にハッキングされ7000ビットコインを流出させている。

Coinmarket Capによると、2021年8月の時点でBinanceは世界の取引所の中で、24時間取引高が2.7兆円でダントツの1位となっている。2位の米国CoinBase3,700億円の7倍だ。1位となっている理由は250種類以上の圧倒的な仮想通貨の種類、FXの高いレベレッジと株式トークンなどのその他の豊富な金融商品を扱っていることに加えて、KYC(本人確認作業)が簡単で、メルアドとスマホさえあればわずか数分でどの国の人も口座開設ができてしまうことだ(法定通貨との交換や高額の引き出し時には段階的に本人確認が必要)。

内容は国によって異なるが論点はおおきく2つだ。1つが有価証券の扱いだ。有価証券に該当している仮想通貨をグローバルで提供しようと考え場合には、世界196カ国でライセンスを取得する必要がある。

STO(セキュリティトークンオファリング)がグローバルではなかなか流行らない理由もセキュリティトークン=有価証券だからだ。グローバルで流通させやすいといったトークン本来の利点をあえてつぶしライセンスが取得できた特定の国や国民の間だけで流通させる必要がある。

 

もう一つが、仮想通貨を法定通貨(ドル、円、ユーロなど)に交換するときに必要となる法的整備(日本の場合には、仮想通貨交換業のライセンスの取得義務など)が各国ともに整ってきたことだ。つまり、いままでに黙認してきた国も、黙認できなくなったというわけだ。

 

どの国からも叩かれずに堂々とグローバルにサービス展開するためには有価証券と仮想通貨に関連したライセンスを世界195ヵ国でとらないといけなくなるというわけだ。

世界2位のCoinBase(コインベース)は世界195ヵ国中、100ヵ国以上にに提供しているにも関わらず、どこの国からも叩かれていないのは、きちんと各国のリーガルに準拠させているからであろう。ちなみにリーガル準拠を優先して大きな市場である日本、中国、ドイツを潔く捨てている。(日本では金融庁から認可を取得したCoinBaseJapanが設立され提供が予定されている)

グローバルで2位のCoinbaseの24時間ボリュームがBinanceの1/7となっている理由がここにある。

あの巨大企業であるFaceBookのリブラでさえ潰されたことを考えると、今春の各国から出された声明は好き勝手に暴れている者は許さないという強い意思表示であり、Binanceは売上ファーストの今のポリシーで事業を継続することは難しいであろう。

 

Binanceと比べると規模小さいが世界のベスト20に入る取引量を持った仮想通貨取引所”IDAX”で2019年11月にCEOが行方不明ととなった。行方不明の理由は今でも明かされていない。

IDAXの広報から「CEOが秘密鍵を持っているので引き出しができなくなった」というアナウンスが流れた。

その結果顧客は自分の資産が全て凍結された状態となった。現在でも解決されず、IDAXに資産を預けた顧客は泣き寝入りとなったのだ。

 

また、Coingekoで24時間取引量が2,000億円となっている仮想通貨取引所”BitOnBay”に口座を持っている顧客から「2021年に入り取引中に急に引き出しができなくなった」との話を聞いた。

BitOnBayはタイでライセンスを取得して運営しているとの事だが、タイ政府に問い合わせるとタイに登録はなく、運営実態は韓国にあり無許可での運用であったことが判明した。

現在でもなお引き出しはできていない状況で顧客は泣き寝入り状態だという。

 

ブロックチェーン自体は非中央集権の仕組みで問題なくワークしているが、取引所は中央集権なので、経営者が簡単に私物化できる構造になっている。金融サービスはそれなりの規制によって第三者から監視されていた方が健全だということは言えそうだ。

そういった意味では、どの国の管理下にも置かれておらず、誰からも管理監督されていないBinanceは、IDAXやBitOnBayと同様な事が明日起きても不思議ではない。米国の金融局であるSECにしっかりと見張られているCoinBaseや日本の取引所(ライセンス取得事業者)と比較すると、リスクが高いと言わざるえない。

 

Binanceは各国の規制に準拠させ、米国市場に上場させるといった声明を出している。これが本当に実現したら、安心安全な世界No.1の取引所になるだろうが、現時点ではBinanceに限らずライセンスを取得していない取引所に大きな資金を長期間置かずにスマホやPCの秘密鍵が入っているウォレットに保管。交換や換金が必要なときだけ取引所を使う。ウォレットの自己管理(スマホやPCの紛失防止やニーモニックや秘密鍵の管理)が不安でどうしても長期間、取引所に置きたい場合には利便性が低く、手数料が高くても、少なくともライセンスを取得している取引所を選ぶといったことが一番安全と言えよう。

 

 

<検証・取材 マザー中村>